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家庭で気を付ける食中毒予防~簡単にできる対策方法~

家庭で気を付ける食中毒予防~簡単にできる対策方法~

食中毒予防はどうして必要なのか?
家庭での食事は、安全で健康的な食生活を送るための基本です。しかし、適切な食材の扱いや調理方法を知らないと、食中毒のリスクが高まります。食中毒を予防することで、家族全員が安心して食事を楽しむことができます。

1.食中毒予防の原則

(1)細菌性食中毒予防の3原則

細菌性の食中毒を予防するためには、以下の3つの原則を守ることが重要です。




■細菌を食べ物に「つけない」
  • 調理前や食事前には必ず手を洗いましょう。
  • 生の肉や魚を扱う器具と他の食材を扱う器具を分ける、生の肉や魚を扱った後に器具を洗うなど、交差汚染を防ぐ工夫をしましょう。

■食べ物に付着した細菌を「増やさない」
  • 食材は適切な温度で保存し、冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保ちましょう。
  • 調理後の食品はすぐに冷蔵庫に入れるなど、室温で長時間放置しないようにしましょう。

 

■食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」
  • 食材は中心部まで十分に加熱しましょう。目安は75℃で1分間以上です。
  • 使用後の調理器具は洗剤で洗い、熱湯などで消毒しましょう。



(2)ウイルス性食中毒予防の4原則

ウイルス性の食中毒を予防するためには、以下の4つの原則を守ることが重要です。


■ウイルスを調理場(台所)内に「持ち込まない」

  • 外から帰ってきたら、手洗いや消毒を徹底しましょう。
  • 調理場(台所)にウイルスを持ち込まないよう、身の回りを清潔に保ちましょう。


■食べ物や調理器具にウイルスを「ひろげない」

  • 使用後の調理器具や台所用品はすぐに洗い、消毒しましょう。
  • こまめに手を洗い、調理中に手や器具を清潔に保ちましょう。


■食べ物にウイルスを「つけない」

  • 調理中や食事前には必ず手を洗いましょう。
  • 生の食品と調理済みの食品を別々に保管し、交差汚染を防ぎましょう。

 
付着してしまったウイルスを加熱して「やっつける」

  • 食材は十分に加熱し、特に貝類や卵はしっかり火を通しましょう。



2.家庭でできる食中毒予防の6つのポイント

(1)食品の購入

  • 表示のある食品は、消費期限等を確認し、購入しましょう。
  • 購入した食品は、肉汁や魚等の水分が漏れないようにビニール袋等にそれぞれ分けて包み、持ち帰りましょう。できれば保冷剤(氷)等と一緒に持ち帰りましょう。
  • 特に、生鮮食品等のように冷蔵や冷凍等の温度管理の必要な食品の購入は、買い物の最後にし、購入したら早めに帰るようにしましょう。

 

(2)家庭での保存

  • 冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
  • 冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。目安は、冷蔵庫や冷凍庫の7割程度です。
  • 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持することが目安です。
  • 肉や魚等は、ビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中で他の食品に肉汁等がかからないようにしましょう。

(3)下準備

  • ゴミはこまめに捨てましょう。
  • タオルやふきんは清潔なものと交換しましょう。
  • 井戸水を使用している家庭では、水質に十分注意してください。
  • こまめに手を洗いましょう。
  • 生の肉や魚等の汁が、果物やサラダ等、生で食べる物や調理の済んだ食品にかからないようにしましょう。
  • 生の肉や魚を切った包丁やまな板は、洗ってから熱湯をかけたのち使うことが大切です。
  • 冷凍食品等の解凍は冷蔵庫の中や電子レンジで行うとよいでしょう。

 

(4) 調理

  • 食材に触れる前に手を洗いましょう。
  • 加熱して調理する食品は十分に加熱しましょう。加熱を十分に行うことで、もし、食中毒菌がいたとしても殺菌することができます。目安は、中心部の温度が75℃で1分間以上加熱することです。調理を途中でやめるような時は、冷蔵庫に入れましょう。再び調理をするときは、十分に加熱しましょう。
  • 電子レンジを使う場合は、電子レンジ用の容器、ふたを使い、調理時間に気を付け、熱の伝わりにくい物は、時々かき混ぜることも必要です。

 

(5)食事

  • 食事の前には手を洗いましょう。
  • 清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛りつけましょう。
  • 調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。

 

(6)残った食品

  • 残った食品を扱う前にも手を洗いましょう。残った食品はきれいな器具、皿を使って保存しましょう。
  • 残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。
  • 時間が経ち過ぎたら、思い切って捨てましょう。
  • 残った食品を温め直す時も十分に加熱しましょう。目安は75℃以上です。
  • ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てましょう。口に入れるのは、やめましょう。

 


3. お弁当に関する食中毒予防

 

 

(1)作る前~「つけない」~

■手をきれいに洗いましょう!

  • 調理の前はもちろん、調理中に生の肉・魚介類・卵をさわったとき、トイレに行った後は必ず手をきれいに洗いましょう。
  • 手や指に傷がある場合は、調理用の手袋などで手を覆いましょう。
  • 手や指には食中毒菌の1つである黄色ブドウ球菌がついていることがあります。傷があるところにはこの菌が多くついているので、そのまま調理すると食材を汚染する恐れがあります。

 

お弁当箱
  • 清潔なものを使いましょう!
  • 洗うときは、ふたのパッキンは外しましょう。外したふたの細かい部分は、泡スプレータイプの洗剤やブラシ等を利用して、すみずみまで洗いましょう。
  • 洗った後は、十分乾かしましょう。どうしても洗った直後に詰める必要があるときは、清潔なふきんで水分をしっかりと拭き取りましょう。

調理器具
  • 洗剤できれいに洗い、きちんと乾燥させたものを使いましょう。
  • 盛りつけるための、清潔な菜箸や使い捨て手袋を用意しましょう。

食材
  • 野菜や果実、魚介類は流水で良く洗いましょう。
  • 肉は食中毒菌が飛び散るので洗ってはいけません。

盛りつけるカップ
  • シリコン製のカップは、お弁当と同様にきれいに洗いましょう。
  • 特に梅雨時期や夏場は、使い捨てカップを利用しましょう。


(2)作るとき~「やっつける」~

■しっかり加熱しましょう!
おかずは、しっかり中心部まで加熱することが大事です。清潔な調理用温度計を用いて確認することをおすすめします。

  • 卵焼きやゆで卵などの卵料理は、半熟ではなく、完全に固まるまでしっかり加熱するようにしましょう。
  • 火を通さなくても食べられるハムやかまぼこなども、できるだけ加熱をするようにしましょう。

 
(3)詰めるとき・保存するとき~「増やさない」~

■水分は大敵

  • 水分が多いと細菌がふえやすくなりますので、おかずの汁気はよく切りましょう。
  • 食品からの水漏れを防いだり、他の食品に細菌が移るのを防ぐために、仕切りや盛りつけカップを活用しましょう。
  • 生野菜や果物はよく洗い、水気を切ってから詰めましょう。別の容器に入れるとより安全です。
  • 揚げ物や焼き物など、お弁当には水分がもともと少ないものを利用するとより安全です。


■冷
やしてから詰めましょう

  • ごはんやおかずが温かいうちに盛りつけてしまうと、蒸気がこもって水分となり、傷みの原因となってしまいます。

 

■作り置きのおかず

  • 当日調理が基本ですが、前日に調理するときや昨晩の残り物を詰めるときは、お弁当箱に詰める直前に必ず十分に再加熱しましょう。

 

■保存も大事です

  • 温かいところに置いておくと、細菌が増えてしまいます。冷蔵庫やなるべく涼しいところに保管して、早めに食べるようにしましょう。
  • 長時間持ち歩くときは、保冷剤や保冷バッグを利用しましょう。
  • フタの部分に保冷剤を入れるスペースがついたお弁当箱も、とても便利で効果が期待できます。

 
(4)食べる前に……

  • 食べる前には、手をきれいにしましょう。
  • もし、お弁当の味やにおいがおかしかったら、食べるのはやめましょう。


(5)おまけ

  • お弁当箱にご飯やおかずを詰めるときは、キッチリ、すき間なく詰めると、持ち運んでも中身が動かず、食べるときもきれいです。



4.おわりに

 食中毒予防は、毎日のちょっとした心がけから始められます。今回ご紹介したポイントを参考に、より安全な食卓を目指しましょう。

 なお、弊社BMLフード・サイエンスでは、食中毒をはじめとした食品事故を予防するために多種多様な検査やコンサルティングを行っており、食品に携わる皆様の食の安全安心を全力でサポートしております。飲食店経営をされているお客様、飲食提供を行っているお客様など、お困りの際は是非弊社までお気軽にご用命ください。食品の安全に関する検査や、様々なご相談に対応いたします。



こちらのコラムは第二コンサルティング本部 札幌グループ 原 弘が担当いたしました。


BMLフード・サイエンス飲食店アレルギー対策

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