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ノロウイルスの感染対策!「ノロウイルス拭き取り検査」の重要性

ノロウイルスの感染対策!「ノロウイルス拭き取り検査」の重要性

ノロウイルスは感染力が強いことから事例1件あたりの患者数が多くなる傾向があります。1年間に発生する食中毒患者数全体の4割以上を占めており、時には患者数が500人を超える大規模な食中毒となることもあります。

ノロウイルスによる食中毒の感染経路や予防方法を正しく理解し、ノロウイルスによる食中毒を防ぎましょう。

1.ノロウイルスはどんなウイルス?


ノロウイルスは小さな球形をしたウイルスで、非常に強い感染力をもっています。 大きさは直径約30nm~40nmで、一般的な細菌(約1μm~5μm)の1/30~1/100程度と非常に小さく、手指に付着したノロウイルスは、手のしわや爪と皮膚のあいだに入り込んで、入念に手洗いをしなければ除去できなくなります。

また、感染力が強く、少量(10~100個)で感染・発症します。熱や酸・アルコールに強く、乾燥した環境でも長く感染性を維持します。

ノロウイルスにはワクチンがなく、治療は輸液などの対症療法に限られるので、予防対策を徹底し感染の拡大を防ぐことが重要です。

(1)ノロウイルスに感染するとどのような症状になるの?


感染から発症までの時間(潜伏期間)は24時間~48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、37℃~38℃の発熱などです。通常、これらの症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。

また、健康で体力のある方は、感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。しかし、持病のある人や乳幼児、高齢者などは、脱水症状を起こしたり、重症化するケースやおう吐物を吸い込むことによる肺炎や窒息もあるので注意が必要です。

ウイルスは、症状が消失した後も3〜7日間ほど患者の便中に排出され、長い時は1ヶ月以上つづくこともあり、二次感染に注意が必要です。


(2)ノロウイルスはどのように感染していくのですか?


ノロウイルスの感染経路には経口感染、接触感染、飛沫感染、空気感染があり、経口感染が主な原因となっています。

①経口感染


ノロウイルスに汚染された食品を加熱不十分で食べた場合に起こります。

また、ノロウイルスに感染した人が調理することによって、その人の手から食べ物にノロウイルスが付着し、それを食べることなどによって二次的に感染します。


②接触感染


感染者の糞便や吐しゃ物に直接触れて手や指にノロウイルスが付着することによって感染します。また、感染者が排便後に十分手を洗わずに触れたトイレのドアノブなどを介しても起こります。

③飛沫感染


感染者の吐しゃ物が床に飛散した際などに周囲にいて、ノロウイルスの含まれた飛沫を吸いこむことで感染します。

④空気感染


感染者の糞便や吐しゃ物が乾燥し、付着したほこりとともに空気中を漂います。これを吸いこんだりして、口の中へノロウイルスが侵入することで感染します。

(3)ノロウイルスが発生しやすい時期はありますか?


ノロウイルスによる食中毒は、1年を通じて発生しています。特に冬場に多く、11月から増え始め、12月から翌年1月が発生のピークとなっています。

ノロウイルスは低温や乾燥にも強く、長時間生存が可能であるため、この時期に活発になります。また、冬季にかけて牡蠣を生食する機会が増える事も要因となっています。

(4)ノロウイルス食中毒の原因となっている食品は?


ノロウイルスは下水から河川、海に行き、プランクトンを介して牡蠣やアサリ、シジミなどの二枚貝の内臓に濃縮・蓄積します。ノロウイルスを溜め込んだ二枚貝などの食品を生食した場合、もしくは加熱が不十分なままで食べた場合に感染し、食中毒が引き起こされます。

2.感染者が発生!環境の消毒方法


ドアノブなどは、濃度200ppmの次亜塩素酸ナトリウム液(水3ℓに家庭用の塩素漂白剤10㎖入れる)などで消毒します。次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性があるため、ドアノブは消毒後、水拭きします。
衣類を洗濯するときは洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いし、十分すすぎます。
85℃以上1分以上の熱水洗濯、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒、高温の乾燥機使用などを行うと、より殺菌効果が高まります。

(1)吐しゃ物の処理方法


感染者の吐しゃ物を処理するときは、使い捨てのマスクやガウン、手袋などを着用し、ペーパータオルなどで吐しゃ物が乾燥する前に除去します。その後、吐しゃ物の付着していた場所を、浸すように濃度500ppmの次亜塩素酸ナトリウム(水3ℓに家庭用の塩素漂白剤50㎖入れる)で拭き取ります。

ふき取った吐しゃ物や手袋などはビニール袋に密閉して廃棄します。(できればビニール袋の中で次亜塩素酸ナトリウムに浸す。)処理後は手洗いを実施します。
換気は屋内への拡散防止のため、吐しゃ物処理が終わってから空気の流れに注意して行います。

(2)感染者が使用した食器類などの消毒方法


感染者が使用した食器は他の人が使用したものと区別し、濃度200ppmの次亜塩素酸ナトリウムに5~10分浸し、その後水洗します。まな板、包丁、へら、食器、ふきん、調理器具、タオル等の加熱できるのものは、洗剤などで十分に洗浄した後に、熱湯(85℃以上)で1分以上加熱するか、濃度200ppmの次亜塩素酸ナトリウムに浸して消毒します。

3.消毒方法が適切であったか、ウイルスが残存していないか確認する方法


ノロウイルス拭き取り検査をすることでトイレやドアノブ等の環境中のノロウイルスの有無を知ることができます。実際の汚染状況や清掃消毒が適切に出来ているかどうかを確認出来るため、ノロウイルスの感染予防及び対策に効果的です。



4.厨房での注意するポイント


ノロウイルスに感染したにもかかわらず、嘔吐などの特別な症状が出ないまま便中にウイルスを排出することがあります。これを「不顕性感染」と言い、無自覚のまま感染源となる場合があります。

本人は症状がなく感染している自覚がないため、手洗い等の対策が不十分であった場合、知らないうちにウイルスが手指に付着し、食品を汚染してしまいます。

(1)厨房での食品の扱い方


生の二枚貝などを取り扱うときは、専用の調理器具を使用するか、調理器具を使用の度に洗浄する、消毒する等の対策により、他の食材への交差汚染を防止しましょう。

食品に付着したノロウイルスを不活化させるためには、中心温度85℃~90℃、90秒以上の加熱が必要です。そのため、ノロウイルスの付着が疑われる食品を加熱する場合には、この条件を満たすよう、よく加熱しましょう。

(2)厨房の衛生管理とは


食品や食器、調理器具などにノロウイルスを付けないように、調理などの作業をする前などの「手洗い」をしっかりと行いましょう。手洗いは、 手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。

手を洗うタイミングとして①トイレに行った後、②調理施設に入る前、③料理の盛り付けの前、④次の調理作業に入る前、⑤手袋を着用する前などがあります。

常に爪を短く切って、指輪等をはずし、石けんを十分泡立て、必要に応じて爪ブラシを使用して手指を洗浄します。すすぎは温水による流水で十分に行い、清潔なペーパータオルで拭きます。一般的に石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

流水で洗い流す時間を長くしたり、手洗いを2回繰り返すことで、ノロウイルスの除去効果は高まります。

5.BMLフードサイエンスのサービスについて


BMLフード・サイエンスは、食品の微生物・理化学検査をはじめ、商品の品質検査、飲食店の厨房衛生点検、食品工場監査、衛生管理・品質管理の仕組みづくり、食品安全認証の取得支援まで、ワンストップでサービスを提供できる総合コンサルティング企業です。
長年培ってきた高度な検査技術とノウハウをもとに、質の高い各種検査とコンサルティング事業体制を構築しており、全国を網羅したネットワークにより、スピーディなサービスを提供します。

また、国内最大級の処理量でノロウイルスの感染リスク低減をスピーディーにサポートします。



6.まとめ


ノロウイルスは非常に強い感染力を持つウイルスで、食品や環境に付着すると感染拡大の原因となります。
次亜塩素酸ナトリウムを使って消毒することが重要です。消毒後は、ノロウイルス拭き取り検査で残存ウイルスの有無を確認しましょう。
また、厨房では食品の加熱や交差汚染の防止、手洗いなどの衛生管理を徹底しましょう。 ノロウイルスに関する検査やコンサルティング、衛生点検などお困りごとがございましたら、ぜひBMLフード・サイエンスにご連絡ください。


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