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【飲食店向け】厨房の衛生管理/設備機器の清掃と従業員の教育

厨房の衛生管理

飲食店舗で重要なこととしては、お客様に喜ばれる充実したサービス、美味しいメニューがありますが、お店の衛生が保たれているかどうかもその運営を継続させる重要な要素の一つです。
近年では行政による衛生への取り組みが強化されており、飲食業界に求められる衛生意識が高まっています。
また、お店の衛生を保つ事だけではなく、従業員が衛生に気を配るよう指導をする必要があります。食中毒は人を介して発生することもあるからです。

しかし、店舗で働く方や衛生担当者からは、「お店を回すのに精一杯で衛生に十分に気を配れないため、衛生状態を効率的に保つ方法を知りたい」との声や、「衛生に関するノウハウがなく、どのように取り組めばよいかわからない」などの声を聞きます。
今回は、厨房の衛生管理の基本的なポイントをはじめ、設備機器の清掃、従業員の衛生についてご紹介します。

1.厨房の衛生管理とは


安全・安心な料理の提供を行うためには厨房の衛生管理が必要不可欠です。衛生管理の主な対象として、食材、設備機器、調理器具があります。見落としや知らないことによって食中毒等の事故に繋がってしまわないためにそれぞれのポイントについてご紹介します。

2.食材の扱い方


食材が常に安全であるためには、それらを適切に管理する事が必要不可欠です。その管理には温度、消費期限が挙げられます。食材の扱い方に気を付ける事で、お客様に安全でおいしい料理を提供することができます。

(1)温度管理


冷蔵庫や冷凍庫の庫内温度を定期的にチェックしましょう。冷蔵は10℃以下、冷凍はマイナス15℃以下に保たれていれば、食材の汚染の原因となる細菌の増殖を抑える事ができます。冷蔵庫・冷凍庫の温度を定期的にチェックする事を怠りその故障に気付かず、傷んだ食材を調理に使用してしまう事の無いよう注意しましょう。

また、調理した食材を常温で長時間放置して冷ますことは食材中の細菌が増殖するのに適した状態になり、そこから食中毒の原因になります。調理後の食材を保存するときは速やかに冷蔵庫または冷凍庫に入れておきましょう。

(2)期限の管理


食材ごとに設定された期限(消費期限・賞味期限)を守らなければ、たとえ適切に温度管理されていたとしても危険な食材となってしまいます。期限を守る事はもちろん、その開封日・開封後の経過日数に応じた廃棄予定日も食材を入れるパック等に記録しておきましょう。

3.設備機器


厨房の設備機器は食品に直接触れる事が多いので、細菌やカビ等の汚染源となりやすく、食中毒の原因となる可能性があります。これらを使用した後や必要に応じたタイミングで清掃及び消毒を行う事で、食品への汚染を防ぐことに繋がります。定期的に点検・メンテナンスを行い、劣化や損傷がないかを確認することも大切です。

また、床などが常に汚れていると、細菌などの微生物や汚れ等が食材や食器等を汚染する危険に繋がりますので、床の掃除もこまめに行いましょう。

手を触れる場所


人の手に触れるところは拭き掃除を徹底しましょう。接触感染を防止するため、ドアノブやスイッチ、手すり、エレベーター のボタン、テーブルやカウンター、共用で使うもの(トングやメニュー 等)などについて、アルコール消毒液や界面活性剤を含む住居用洗剤等で 定期的なふき取り清掃を行うことが有効です。

アルコール消毒液の代わりに漂白剤などの次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用することもできます。次亜塩素酸ナトリウム溶液で拭き掃除をした場合は、その後で水拭きをしてください。

参考:厚生労働省 ノロウイルスによる食中毒


4.調理器具


調理器具の衛生管理は、食材の安全性と品質を保つために重要な要素です。調理器具には、包丁、まな板、鍋、フライパン、ボウル、スプーン、フォーク、レードルなどが含まれます。これらの器具は、食材を切ったり、混ぜたり、加熱したりする際に使用されますが、同時に食材に細菌やウイルスなどの汚染物質を移す可能性があります。そのため、調理器具の衛生管理は、以下のようなポイントに注意して行う必要があります。

(1)包丁・まな板


包丁やまな板は食材ごとに使い分けるのが理想です。肉や魚などの生ものと野菜や果物などの生食用のものは、別々の包丁やまな板で切りましょう。同じものを使う場合は、必ず切るものが変わるたびに洗浄・消毒をし、食材を切る順番も意識しましょう。加熱済みの食品や生食用野菜は先に切り、加熱用野菜や肉・魚は後に切る事で、交差汚染を防ぐ事にもつながります。

使用後はすぐに中性洗剤で洗い、しっかり乾燥させる必要があります。また、傷が深く入ったまな板は汚れや細菌が溜まりやすくなるため、定期的に新しいものに交換することが望ましいです。

(2)その他の調理器具


調理器具は、使用前と使用後に必ず洗浄し、乾燥させます。洗浄には、熱湯や中性洗剤を使用し、汚れや油をしっかり落とします。乾燥には、清潔な布巾やペーパータオルを使用し、水分を拭き取ります。

定期的な消毒も必要です。消毒には、塩素系漂白剤やアルコールなどの消毒剤を使用し、調理器具の表面に付着した細菌やウイルスを殺菌します。消毒後は、水でよく洗い流し、乾燥させます。

5.従業員の衛生


食中毒等の事故の原因は様々ありますが、多くの事例で従業員から食中毒菌が検出されています。ノロウイルスをはじめ、黄色ブドウ球菌等、個人衛生管理不備を原因とした食中毒は多く発生しています。たった一人の健康管理や手洗いの不備が大きな食中毒事故に繋がり得ることを認識し、日々の衛生管理体制を見直すことが肝心です。

従業員には正しい手洗いや清潔な調理服の着用などの衛生的な行動を心掛けるよう指導しましょう。また、発熱や嘔吐などの症状がある場合は、調理に従事しないことで、食品への汚染を防ぎます。

(1)正しい手洗いについて


始業時、厨房に入る前、トイレや休憩の後、食材に触れた後には必ず手洗いをしましょう。二度洗いが有効です。特に、ノロウイルス対策としてアルコールは十分な効果が得られないため、手洗い洗剤を使い、流水で十分洗浄することが重要です。食中毒対策の基本となる手洗いの手順を再確認しましょう。

参照:厚生労働省

 

(2)身だしなみや厨房入室時のルール


コックコートや既定のユニフォーム、専用靴、手袋、帽子を着用します。ネックレス、ブレスレットなどの装飾品は外しましょう。トイレ、外出時は靴を履き替えることが好ましいです。爪は短く切り、マニキュアの使用は避けましょう。また、私物の飲食物など、不要なものは厨房に持ち込まないようにしましょう。帽子から毛髪のはみ出しは異物混入などに繋がりかねないので確認しましょう。

(3)従業員の健康チェック


飛沫感染を防止するため、発熱、咳、くしゃみなどの症状がある場合は、調理に従事しないようにしましょう。 また、ノロウイルスなどの食中毒予防のため、腹痛、下痢、嘔吐などの症状が ある場合も調理に従事しないようにしてください。体調不良の場合は、責任者へ速やかに報告し、指示を受けましょう。日々の健康チェックの結果の記録を習慣づけておくことも衛生への意識付けに繋がります。

(4)検便による保菌者確認


健康保菌者によって知らず知らずに汚染が拡大する事を防ぐために、検便により従業員に感染者がいないことを確認しましょう。決められた頻度で、調理に従事される方全員が提出をすることが重要です。当社の検便は迅速かつ正確に結果をお届けすることが可能です。実施頻度や菌種等もお気軽にお問合せください。

6.まとめ


以上のように厨房の衛生を保つだけでなく、従業員への衛生に関する教育は簡単な事ではないかもしれませんが、それに取り組んで頂く事で、店舗の運営継続はより強固になりますし、食中毒等の事故のリスク管理にもつながるということがおわかりいただけましたでしょうか。
衛生管理に関する相談、講習会実施等についてはお気軽にBMLフード・サイエンスにご連絡ください。

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従業員の健康管理(検便)

 

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